バンッとロッカーを閉めてタイムカードを押しに行くと、着いてきた隼人は声を弾ませる。
「久々に麻雀でもやろうぜ~っ」
「明日てかもう日付変わったか。今日彼女とデートじゃねぇの?」
「テスト? 聞こえねぇな……」
はいはいテスト期間だから会えないってか。どーでもいいわ。
「良かった、まだ残ってた!」
スタッフルームを出てすぐの場所にある従業員用の出入り口に足を進めようとした時、店内にいたオッサンが声を掛けてきた。
「さっき言うの忘れてたんだけどね、買い出しに行った時に見掛けたのよ。何だったかしら?ほら、透の友達」
「奈々?」
隼人が言うと、オッサンは違うと手を振る。
つうかどうでもいい話を立て続けに聞かせるんじゃねぇよ。
「あの子よ、昨日の」
興味の無さから再び進めようとした足が止まる。
昨日って……。



