天然店員は俺様王子



瞼を閉じる暇もなく、離れてく瞬間の瑠雨がやけに綺麗で。


目を奪われていると瑠雨は俺の首に手を回したまま見上げてきて、首を傾げた。



「覚悟しろって言ってたけど……覚悟するのは、麗桜のほうかもよ?」


得意気に笑う瑠雨に一瞬呆気に取られたけど、俺もすぐに口の端を上げる。


「上等……」


俺を、誰だと思ってんだよ。



天然を演じて人気スタッフNo.1の俺が素で負けるわけねぇだろ?


それに俺は瑠雨の王子らしいし?


-mia-でも、この家でも。瑠雨を惹き続ける自信有りまくりだからな。



「逃げんなよ」

「麗桜こそ」



お互いを見つめ合って、額をくっつけながら笑う。


首に回された両手を解いて、そのまま瑠雨の細い体をソファーに押し倒した。




覚悟しろよ、瑠雨。



お前の全てをしつこいくらい甘く、愛してやんよ。




《END》