天然店員は俺様王子



ソファーの背もたれに肘を乗っけて、手で頭を支えながら泣く瑠雨を眺める。


「……麗桜……どうして合い鍵なんて、くれたの?」


涙で濡れた瞳のまま俺を見上げる瑠雨に、危うくパーン!と理性が彼方遠くへふっ飛びそうになった。


慌てて思考を切り替え、瑠雨の毛先を掬う。


「知りてぇ?」

「うん」

「教えるかボケが」

「……は?」


フフンと笑う俺に瑠雨の涙は引っ込んだらしく、ズイッと俺に詰め寄ってきた。


「教えてよ!」

「嫌だね」

「教えろってば!!!」


別に、一言で終わるから教えてやってもいいけど、それじゃつまんねぇじゃん?


「そんなに知りたいなら、俺に愛の告白でもしろよ」

「はっ!?」

「し、ろ、よ」

「頭沸いてんじゃないの!?」


超冷静な上に大真面目ですけど。この瞳を見ろ。本気すぎて炎出せんじゃね?って感じだろーが!