天然店員は俺様王子



「……ネックレス……あれ?」


小さい袋を開けると、クロムハーツのネックレス。デザインされた十字架の真ん中には、ピンクの石。


「これどっかで見たこと……あ」


俺を見た瑠雨は、気付いたっぽい。


俺の首もとには瑠雨の手元にあるネックレスと同じ物。石は青だけど、形は同じだ。


「……お揃い……」

「指輪はまたいつかな」


瑠雨の手からネックレスを取り上げて、首に手を回して付けながら言う。


「俺の名前に桜入ってっから、瑠雨はピンクな。瑠雨の名前はまんま青だから、俺が青」


我ながらベタで安易な選び方をしたと思いつつ、長い髪を掻き上げてやり、似合うか確認しようと離れた俺はギョッとする。



「は!? 何泣いてんだよっ」


顔を見なかった数秒の間に、瑠雨はボタボタと涙を流していた。


何っだよ! 誕生日は涙腺緩くなんのか!?



「れ、麗桜は……っあたしを殺したいの?」

「は?」

「……すっ、好き……」

「支離滅裂だなオイ」


このまま泣き止むのを待つのもいいけど、泣き顔も捨てがたいな……って、だから俺、変態かって。