天然店員は俺様王子



――――……


「鍵、開けてみれば」


パーティーが終わり透たちと別れたあと、瑠雨と一緒に俺の家に向かった。


ドアの前に着くなり俺が言った言葉を聞いて、目をまん丸くする瑠雨に笑いが込み上げる。


「ふっ。冗談だっつーの」


キーケースを取り出そうとすると、瑠雨が勢い良く鍵穴に合い鍵を差し込んで、ガチャンッと鍵を開けた。



「……」

「……開け、た」


頬をピンクに染めてぶっきらぼうに言う瑠雨に、思わず吹き出す。


「くくっ……はいどーも」


ドアを開けて瑠雨を家に押し込むと、俺はショートブーツを脱いで部屋に向かった。


アルミ棚の上から小さい袋を取り上げてソファーに腰掛けると、ちょうど部屋に入ってきた瑠雨を隣に招き寄せる。



「何?」

「プレゼント」

「えっ!?」

「合い鍵であんな喜ばれると思わねぇだろ」


何か言いたげな瑠雨を黙らせるように、プレゼントを押し付ける。