「うっ……嬉し泣きなんだから、いいじゃんっ」
ポロポロ落ちる涙を見て、綺麗だなと思う。
でも正直、泣かれるとは思ってなかったからどうすりゃいいのか分かんねぇ。
「泣き止めよ。ブスになんぞ」
「別にいいし……っ」
「不細工な顔写メんぞ」
「……それは……嫌っ」
しゃくりあげながらもイエスノーを素直に言う瑠雨を思わず抱き締めたくなったけど、何とか堪えて立ち上がる。
「戻ってくるまで泣き止めよ。命令だかんな」
ポンと頭を叩いてやり、俺はキッチンに向かう。
ニヤニヤする透たちが視界に入ったが軽やかにスルー。
実際、突っ込む余地がなかった。
……やべぇな。
俺、瑠雨の泣き顔に弱いかも。



