「あーあーっ! やぁっぱちぃ君のプレゼントが1番かぁー」
「奈々! 俺も同じことしたら泣いてくれるやんな!?」
「やぁね。未来永劫ないわよ」
「ぶはっ! 翔太、照れてるだけだからいつかやるといいよ」
「ルー、ウレシー?」
昴の言葉に瑠雨は力強く頷く。
白い肌に流れる涙を親指で拭ってやると、瑠雨は濡れた瞳で俺を見上げた。
「……何だよ。そんなもんで、泣くほど嬉しいわけ?」
からかうつもりで言ったのに、瑠雨から返ってきた言葉は素直だった。
「嬉しい……ありがとう、麗桜」
ギュッと大事そうに瑠雨が両手に包んだのは、彼女だけに許された特権。
俺の家の、合い鍵。
「……泣きすぎだろ」
予想外に号泣するもんだから俺は困って、足元にしゃがんで瑠雨を見上げる。



