「あたしからはコ、レッ」
「は!? オッサンもくれんの!?」
「オッサンて呼んでいいのはレオだけだって言ってんでしょぉ!!」
いやだから、そんな特権要らないんですけど。燃やして灰にしますけど。
瑠雨はオッサンから小さめの箱を受け取り、中を見ると驚いたようにオッサンを見上げた。
「いいの!?」
「いいわよ~? 他にも持ってるもの」
「何なに!? わっ!デジカメだー!!」
デジカメ?
「レオとふたりで思い出たくさん撮りなさい。もちろん透たちともね」
オッサン、たまには役に立つじゃ……。
「撮ったらアタシのとこに来なさいねっ! 現像してあげるわぁ! ……ムフッ」
「目的はそれかこのド変態がぁぁぁああ!!!!!」
自分の分まで焼き増しする気だったであろうオッサンをぶっ飛ばすと、「まあまあ」と隼人に宥められる。
「ちぃからは~? あんだろ~? 早く渡せってェェェェェエ!?」
ニヤニヤする隼人の長い襟足を全力で下に引っ張ってみた。



