天然店員は俺様王子



「麗桜の手料理がいい」

「は? ざけんなボケ」


そう言いながら……。


「「手伝えよ」」

「……」

「あはは! 絶対言うと思った!」


わざと声を被らせて、案の定ハモって笑うあたしを麗桜は眉を寄せて見てくる。



ねぇ麗桜。


あたし、幸せだよ。




「俺をからかうなんていい度胸だな? 瑠雨」

「──……え?」


急に視界が反転したと思ったら、真上に麗桜の顔。


「なな何してんのよ!!!」

「見て分かんねぇのか。押し倒してんだろーが」


いやそういうことじゃないんですけど!!!


何押し倒してんの!?って聞いてるんだけど!? そこ察してほしいよね!!!


挙動不審になるあたしを、麗桜はニヤリと笑って見下ろす。



「お仕置きタイム」

「ちょ! や……んーっ!」


抵抗する間もなく、柔らかい唇で口を塞がられてしまった。