学校の後輩でもある幼なじみが、駅裏にある-mia-のスタッフ“ちぃ”に散々なフラれ方をしたことで、あたしは腹が立って殴り込みに行った


あの時から、もう麗桜を好きになることが決まってたのかな。


それとも、翔太のイベント帰りにコンビニへ寄って、変態に絡まれて助けられた時からかな?


あの時、あたしは確かに怖くて麗桜に助けを求めた。でも麗桜と隼人がいなかったら、あたしはどうなってたんだろう。


……やっぱりあたし、麗桜を好きになる運命だった?



「お前今メルヘンなこと考えてるだろ」

「っ!?」


気付くと麗桜があたしの顔を覗いていて、驚いて仰け反った。


「何いきなり! 驚かせんなっつーの!!!」

「考えてただろ」


ニヤニヤし始めた麗桜に身の危険を感じて、乙女思考だった頭を逃げる為にフル回転させる。


「聞きたいことあんだけどっ」

「……聞きたいこと? 何それ」


一瞬、話題変えやがったな。って顔をした麗桜だけど、気になるのか返事を催促するようにジッとあたしを見つめてくる。