「心配してたのかなーって思って」

「は? 心配? ハハッ! 何の?」


ム、ムカつく……!!!


「後輩に妬まれてないかとか心配したんじゃねぇのかよ!!」

「何その立派な心配。俺はあの初対面で殴られた恨みを晴らそうと模索中なんだよ」

「根に持ちすぎだろ!!!」

「あんだけ啖呵切っといて、お前俺と付き合ってんだぞ? 俺が殴られた意味!!」


ねぇ麗桜、嘘が下手すぎる。何その無理やりな後付け。


「つか瑠雨が年下に友達がいるとか意外すぎんだけど」

「……あの後輩は幼なじみ」

「ふーん。……ニヤニヤしてんなっつーの!!」


だってやっぱり麗桜は、遠まわしに優しい。


それに、あんなに最悪な出逢いだったのに……不思議なもんだよね。


あんなに大嫌いだったのに、こんなに大好きになるなんて人の心って不思議。


あたしと麗桜の始まりは、やっぱりあの日だったのかな。