「ふふ。いいじゃない瑠雨。言ってあげなさいよ、西郡の時とボス猿の時だって」

「ゴブァッ!!!」

「やぁね。レオとそっくり」

「何!? 何なの奈々!!!」

「なぁに? 本当のこと言っただけじゃないの」


瑠雨はクスクスと笑う奈々を見てから、恐る恐る俺を見た。


「……っ思った、けど……」


恥ずかしそうに言う瑠雨に、俺の胸は高鳴る。


やっべ、楽しい。言わせたくて仕方ない。



「どんな風に思ったわけ?」

「~~っ助けてくれる瞬間がかっこいいからっ! 王子みたいだなって思っただけじゃん!!!」

「ふ~ん? それだけ? 他にもあんだろ」


ニヤニヤと頬杖をつく俺を透たちは見て、瑠雨に視線が集まる。



「っホントムカつく!!! あたしの王子は麗桜だなって思っただけですけど、何か!?」


真っ赤になって勢いに任せて言う瑠雨に、笑いが込み上げる。


そんな風に思ってたのかよ。