「聞いたか昴。俺王子だってよ」

「チークンもオージってアダナなんだね~」


うん、この天然にフった俺がバカでした。お前は学校一の王子ですもんね。本人意味分かってませんけどね。


俺は頭に花を咲かせる昴から瑠雨に視線を移すと、真っ赤になって俯いてる。



……イジメたくなりますよね?



「俺のどこらへんが王子なの瑠雨ちゃんっ」

「おい本気で黙れ」

「聞きたいなぁ」と俺が言うと、「聞きたい聞きたい!」と全員が笑みを浮かべた。


「うっさいバカ!!! そんなん聞いてどーすんだよ!!!」


真っ赤になって怒る瑠雨に、俺はワザと落ち込んだフリをする。


「ほらぁ! ちぃ君がしょんぼりしちゃったじゃん!!」

「それフリだから!!!」

「ちなみにあたしはね! 昴は世界一の王子だと思ってるよ! 外見から中身まで!!!」

「トールはセカイチカワイー」

「はひーー!!!」


セカイチって何だよ……世界一ってことか? つか昴と透……ウゼェ!


あたりにハートを撒き散らす透とは打って変わって、瑠雨はすごい勢いで紅茶をストローで吸い上げている。