「あたしの店は、スタッフと客の恋愛は御法度なの! そのことはお客様にもお伝えしてるのよ!!!」


いや初めて聞いたぞオイ。


メス犬の毒牙から逃げろとは言われ続けてきたけど、そう言う意味だったのかよ。


まあさほど効果はなかったと思う程度には告られてますけど。



「……何それ。アンタがスタッフ独り占めしたいだけじゃん。オッサンのくせに何考えてんの?」

「ぬわぁんですってぇー!? アタシをオッサンて呼んでいいのはレオだけよ!」


え……そんな特別枠マジで燃やして灰にしてぇ。


「ああもう! だから女は嫌いよ! 特に貴女みたいなガミガミうるさい子はっ」


オッサンは両手を上げて首を振る。それは俺も、同感。



「とにかく! 貴女の後輩? 御法度なんだからフラれる覚悟はあったはずでしょう。それを承知して想いを告げたのは立派だと思うわよ」

「だから、あたしはそいつの対応が気に食わないって言ってんだよ!」

「そう言うように、貴女、後輩に頼まれたのかしら?」

「……っ!」


お、初めて黙った。