「ちょと何騒いで……って、あら透じゃない」

「うわぁぁああ店長ーーー!!! このふたりどうにかしてよぉぉお!!! 喧嘩やめてくれないんだよーっ」


店の中から出てきたオッサンが俺の顔を見て青ざめる。


「イヤーーー!!! レオ! どうしたのその口元!!!」

「このガキに殴られた」

「ちょっとアンタ!!! うちのNo.1に何してくれてんのよ!」

「関係ねぇだろゲイッ!!!」

「何でバレてんのよぉぉおお!!! だから女は嫌い!」


このオッサン何も役に立たねぇ……。


泣き喚くオッサンに透が説明を始めて、俺の視線はもう空の彼方。


はぁ……めんどくせーし疲れた。


こんなイチャモンに付き合うくらいなら、店戻って笑顔振り撒くほうが楽だ。



「何よそんなことなの!?」


透から一通り事情を聞いたらしいオッサンは、呆れたように茶色の髪を耳に掛けた。


「そんなことって何だよ」


イライラした感じで腕を組む瑠雨に、俺は溜め息をつく。それを見計らったようにオッサンは瑠雨に告げた。