「あ! 瑠雨ーっ! ちぃ君も!!!」
ホールに行くと、俺と瑠雨に気付いた透が手を振ってきた。
「お。……おぉ~?」
透たちが食べ終わった皿を片付けていた隼人が、俺と瑠雨を交互に見てニヤニヤしてくる。
「ちょっとちょっと~、まさか? まさか、なぁ? スタッフルームで何しちゃイッテーー!!!」
ダンッ!!と思い切り隼人の足を踏んづけて、他の客から見えないよう腹部をつねってやった。
そのまま俺は眉を下げて、隼人に近づく。
「どこか痛いの!? 大丈夫? 死なないで隼人っ!!!」
「さすが演技派ちぃッテェエ! 腹が千切れる!!!」
「逝けボケが」
ボソッと呟いた時、後ろから気持ち悪い気配が近付いてきたのを察知して隼人から離れる。
ニコッと店員の笑顔を作って、透たちに微笑む俺。
「はーい皆さん注目~っ」
「レーオーー!!!!」
──バシンッ!!!!
注目と言った時に上げた右手で、背後に接近してきたオッサンの顔面に裏拳をお見舞いしてやった。
ふっ………バカめ。



