「ちょっと麗桜っ!!」
「なんだよ」
足を止めて振り向き、近付いてきた瑠雨を見下ろす。
「人の話聞いてた!?」
「はぁ? 聞いてただろーが。優しくして欲しいんだろ?」
ニヤニヤしながら言うと、見事なまでのボディブローを食らった俺。
……このガキャァ……。
「っにすんだよ! イテェだろ!!」
「ニヤニヤすんな!!!」
こいつ……彼女になってもまだ躾が必要なのか。やっぱ可愛くねぇ。
でもそれって、可愛がるかいがあるってもんだよな。
俺よりも15センチほど背の低い瑠雨に、顔を近付ける。少し顎は引いても負けじと睨みつけてくるその性格は嫌いじゃない。
「何よ……っ」
「優しくしてやるよ、とびっきり。しつこいくらい甘く焦らして、お前から求めさせてやるから」
「何バカなこと言ってんの!?」
赤くなる瑠雨を黙らせるためにペロリと唇を舐めた。
「覚悟しろよ」
俺なしじゃ生きられなくしてやる。



