天然店員は俺様王子




――信じないわけねぇだろ。


瑠雨の様子からすれば、好きって言葉に嘘はないのは一目瞭然だからな。


つかキョウのこと好きじゃなかったのかよ。恋に恋してたって、子供か。


大体いつから俺のこと好きだったんだよ。やっぱ俺に揺れてたって、勘違いじゃなかったってわけだ?


ふざけんな俺マジで悩んでたっつーの。



しかもあのオッサンや隼人たちの異常なほどのニヤけ具合は、両想いだって知ってたからなわけ?


だったら奈々、お前協力するとか言っといてふざけんなよ。絶対気付いてたろ。


瑠雨のキョウに対する気持ちは恋とは別だって、何かしら言えよ。



ああもうめんどくせぇ。アイツら全員あとでシメる。


色々突っ込みどころ有りすぎだけど、とりあえずアレだ。もう我慢なんねぇ。



「キスさせろ」

「――はっ!?」


間抜けな声を出した瑠雨に構わず、俺は瑠雨の頬に手を滑らすと、そのまま口付けた。