「…………マジで?」
言えば、瑠雨の顔がみるみる内に赤くなっていく。
「なん……もう、最っ悪……」
勢いで言ってしまったことが悔しいのか、それとも恥ずかしいのか、瑠雨の顔は真っ赤になった。
ちょっと待て。これドッキリ?
唖然として固まってる俺を、瑠雨は俯きがちにチラリと見上げてくる。その瞬間、ピクッと自分でも気付くか気付かない程度に体が跳ねた。
瑠雨は視線を横に逸らして眉を寄せると、頬を染めたまま小さく唇を震わせる。
「………好き……」
バッ……!!! バカじゃねぇのコイツ!!!
何!? いつからそんな可愛い仕草するようになったんだよ!ってアホか俺は!
煩悩をどこか遠くへやろうとしても、体は正直だ。
「……好き……麗桜が」
ドクドクと全身に血がめぐるのが、有り得ないぐらい鼓動が速くなるのが分かる。
「……ずっと……今日、言いたくて。信じてもらえないかもしれないけど、あたし、キョウのことは……その、恋に恋してたっていう……かっ!?」
サラリと、俺の髪が重力にそって垂れる。
瑠雨の黒く艶めく髪が赤や金や緑のメッシュと混じってソファーに広がり、グレーの瞳が戸惑ったように俺を見上げていた。
細い体をソファーに押し倒した俺を、瑠雨はただひたすら見上げていた。



