天然店員は俺様王子



「……キョウのことなんだけど」

「――……」


予想外の切り出しに思わず瑠雨の方を向いてしまう。けれど瑠雨はさっと顔を背けて、俺の顔の前に手を広げた。


「えっと、違う、そうじゃなくて……ちょっと待って!!!」


いやあの、何が違くて、何で待たなきゃいけねぇの? 放置プレイですか?


てかもしかしてこれって告白の返事だったりするわけ?


……いや困る。それは困る。



「3日前の……あの、西郡の時。あたしさ……泣いたじゃん?」

「ちょっと待て!!!」

「はい?」


そっから話すってことはやっぱキョウの話じゃね!?


フラれたあとに二度目の告白はちょっと嫌ってか、かなり嫌だっつーの!!!


「何も言うんじゃねぇ! 黙れ!」

「はぁ!? 何で!!」

「何でもだよ!!!」


俺が先に話す!!! そして告る!!