「あー……いやまぁ、アレだよな」
アレって何だよ! テンパってんじゃねぇよ俺!!
ひとり焦っていると、瑠雨が俺の額に絆創膏を貼ってきた。
「……終わり」
「……どーも」
瑠雨は救急箱に消毒液と絆創膏の箱を戻して、蓋を閉める。
「「…………」」
何だ、この空気。
甘いってより、重いんですけど。気まずいんですけど。
え? 俺ここで再び告るべき? この空気で?
……マジか。まあどうせ告るつもりだったんだから、今でもあとでも変わんねぇか。
俺は意を決して、とりあえず浅く息を吸い込んだ。
「「あのさ」」
………おい。何ハモってんだよ。空気読めって。マジ頼むって。
「……何?」
どうせ大したことじゃないだろうと、瑠雨の話を先に聞こうと聞き返した。
「あの、さ」
俺は正面を向いたまま、左側に座る瑠雨の言葉に耳を傾ける。ソファーに並んで座ってるだけで、妙に緊張してきた。



