「そうでしたか。その怪我は……ご立派です、すぐに救急車を手配しましょう」
そう言った警察官を見て、麗桜はキョトンとしてからすぐに慌てたように両手を左右に振った。
「いえそんな、僕は何もっ! 助けるのに必死だったので……こんな怪我大したことないですから。とにかく今は皆さん無事で良かったです」
僕って何!? てか警察官も何騙されてんの!?
何その「いい子だ……!」って感動してる顔は!!
すっかり麗桜の好青年演技に騙された警察官は15人の男達を連行し、あたしたちは連絡先等を聞かれ、軽く事情聴取を受けただけで済んだ。
「今は皆……女の子は特に混乱してると思うので、詳しい事情聴取はまた後日にしてあげて下さい」と、麗桜が眉を下げて頼んだからだった。
「では、ご協力感謝致します! また後日改めて連絡させていただきますっ」
そう言って去って行く警察官たちにキラキラの笑顔を向ける麗桜。
パトカーが走り去った瞬間、笑顔は消えて溜め息をつく変貌ぶりと言ったらすさまじい。
「俺ってマジ天才」
「素敵よレオーッ!!」
後ろで隼人が「詐欺だよな」って言うもんだから、思わず吹き出してしまった。



