天然店員は俺様王子



慌てて体を起き上がらせ振り返ると、荒々しくドアが閉まり、窓ガラス越しに麗桜と目が合う。



――ほんの一瞬。


麗桜の、安心した顔。




「出せ隼人っ!」


そう麗桜が叫んだ瞬間、隼人が「ちぃ!!!」と叫んだ。



あたしの目は見開かれ、金縛りにあったように体が硬直する。


まるで、スローモーション。


麗桜が隼人の声で後ろを振り向いた時にはもう、ひとりの男が追い付き鉄パイプを振り上げていた。



麗桜は、あたしの視界から消えた。



「麗桜!?」

「ちぃっ!!!」


窓ガラスに顔を近付けると、車の横に麗桜が倒れていた。


段々と追い付いてきた男たちが、麗桜を見下ろしてニヤニヤと笑っている。



……嘘。嫌だ。




「――麗桜っ!!」