待って……だって……麗桜はどうするの……?
あたしの目の前で、麗桜に一斉に向かう男たちを見た瞬間、鼓膜が揺れた。
「早く行けって言ってんだろ!!!」
麗桜の大声にビクッと体を跳ねさせたと同時に、行かなければと思った。
だけど、だけど。
麗桜をひとり残すなんて、出来るはずがない。
「~っのバカが!!!」
麗桜は立ちすくんでいたあたしの手首を掴んで走り出す。
「そのまま出せ隼人!!!」
麗桜が叫ぶと、隼人は助手席のドアを開けたまま運転席に乗り込みエンジンを掛けた。
「待てコラァ!!!」
後ろから男たちが追い掛けてくる足音が聞こえるけど、麗桜は一度も振り向かずに車へ走る。
「……えっ! ちょ、待……っ!?」
車に辿り着くなりあたしは助手席に押し込まれ、運転席にいる隼人に頭をぶつけた。



