「ああ? 黙れクソ野郎共」
ボス猿を一発で気絶させた麗桜の、ドスの効いた声と鬼のような形相に男たちは固まり、あたしでさえも息が苦しくなった。
「――ちぃ! 行けるっ!!!」
そう離れた場所から隼人が叫ぶと、麗桜はあたしの手首を離して背中を押して呟く。
「行け」
え……?
「あっ! テメェ待て!!!」
残されていた3人の男の内ひとりが叫び、反射的に隼人の方を見ると、透を車の後部座席に押し込んで昴とキョウにも乗るよう促していた。
……暗くて分かんなかったけど……あれって、麗桜の車……?
確信した瞬間、頭にひとつの考えが浮かんだ。
……待って……行けって……。
「早く行け瑠雨っ!」
「行かせるかよ!」
ひとりの男が殴りかかってきて、麗桜は軽く避けて腹部に蹴りを打ち込む。
「瑠雨!!! 早く来い!!!」
隼人の声は耳に届いているのに、体が動かない。



