天然店員は俺様王子



「お前が俺ら全員相手し終わったあとは、お友達さんの番だって言ってんだよ」

「――……は?」

「女と喧嘩する趣味はねぇからな」


ゾッと背筋が凍った。


「ふ……ざけ……」


首を掴まれた手に力が入れられ、上手く言葉が出ない。


ニヤニヤする男共に囲まれ、路地の奥を見遣ればフルスモークのバンが止まっている。



……あたしひとりで、どうにかなると思った。透たちを助けられると思った。


だけどコイツらは、そんな生易しい奴らじゃなかった。あたしは、甘かった。



どうしよう。どうしよう。


どうすればいい?


……考えろ……考えろ……っ透たちだけでも助けなきゃ。



今コイツを殴って、どうにかなる?


透と奈々を助けて、動けない昴たちをひとりで運ぶ力が、あたしにある?


ない。ダメだ。このままコイツらをみんなから引き離すのがいい。助かる確率が1番高い。