天然店員は俺様王子



「最初っから目的はあたしだけだろーが。それとも女のあたしに負けんのがそんなに怖いかよ」

「――行くぞ!!!」

「っあたしも連れてけ! あたしだってアンタのこと蹴った!!!」

「うるさい透っ!」


涙ぐむ透を睨むと、ボス猿があたしの手首を掴み透に向かってニヤリと笑った。


「残念だなぁ。コイツが言ったんだぜ? 俺ら全員、ひとりで相手するってな」



これでいい。
透たちからコイツら全員引き離して、その間にみんな逃げてくれればいい。



「瑠雨っ!!!」


透の声を背中にすると、ボス猿が近くにいた仲間に小声で告げた。



「男達はほっとけ。お前ら3人は残って、あとであのチビと美人ふたり、連れて来い」



――……は?


「今何つったテメェ!!!」


掴まれた手首を振り払おうとしたが、ビクともしない。


「お前が俺ら全員相手にすんだろーが」

「じゃあなん……っ!!!」


突然首を掴まれ、ボス猿は顔を近付けてきた。


気味悪い微笑みを浮かべながら。