――っこの……!!
ギリッと奥歯を噛んで、あたしは唯一自由の足を振り上げ、右にいた男を蹴飛ばした。
「テメェッ!!!」
男が吹っ飛んだことで右手が自由になり、左にいた男のみぞおちに拳をめり込ませる。
「……っ!」
手首に痛みが走っても腹を殴られて腰を折った男は案の定顔をガードしていなくて、その引かれた顎にもう一度拳を向かわせ、振り上げた。
「ヴッ!」と呻いて地面に背中から倒れた男を見下ろし、周りの奴らを睨んだ。
手が痛い。うまく息が出来ない。
でも喋れる口がある。まだ足もある。
「……アンタらが用あんのは、あたしだけだろ」
先程言ったことを、再び言った。
その思惑が伝わるかは分からないけれど、この場にいる全員があたしを見ていた。
透も奈々も、眉を下げてあたしを見つめている。
昴が咳き込んでる。キョウが立ち上がらない。翔太が悔しそうにしてる。
みんなをこれ以上傷付けられるなら、あたしひとり残ったほうがマシだ。



