天然店員は俺様王子




――何で、こんなことに……。



「離せよっ!!!」

「おーっと。動くんじゃねぇよ」


あたしの両腕は図体のデカい奴にガッチリ固められ、周りには15人ほどの男たち。


「はーなーせーっっ!!! またみんなに何かしたら蹴ってやるからね!!!」


透がふたりの男相手に押さえつけられて、暴れてる。


「マジで美少女じゃねぇかよ、オイ」

「汚らしい手で触らないでちょうだい」


腕組みして立ってる奈々を3人の男が囲み、手首を掴まれた奈々は見たこともない顔で目の前の男を睨んでいた。


「奈々に触んなや!!!」

「あぁ?」


地面には翔太が這いつくばっていて、その周りにはキョウと昴も倒れていた。



……どうしよう。こんなことになるなんて。


ぎゅ、と唇を噛み締めると、口の中で血の味が滲んだ。反抗して平手打ちを食らった時、切れたらしい。



……これくらいなら、何でもなかったのに。


あたしがあの時、先に行っといてって言ってれば、みんなが巻き込まれることはなかったのに……。