「おい隼人。野郎の中で誰か免許持ってねぇのかよっ」

「えっ……と、翔太だけだな。二輪の免許持ってる」


意味ねー!!! 無いよりはマシだけどよ!


「あーックソ……」


信号が青になって、アクセルを踏んでコンビニへ向かう。



「翔太が近くにバイク置いてたら、先に翔太と奈々逃がすかんな」

「へ!? あぁっ、分かった!」

「そのあと昴と透とキョウと瑠雨、車に入れてお前が運転しろ」

「分かっ……ちぃは!?」

「は? 俺を誰だと思ってんの?」


無敵ですから。勝率1000%ですから。


「……、いやいや無理だっつーに!!! つかこの車4人乗りじゃねぇかよ!!」

「チビの透がいるんだから余裕だろーが! 昴にでも抱かせとけ!」

「無茶ぶりじゃんかよ!!」

「翔太がバイクを近くに置いてたらの話だっつーの! もう黙れ。着くぞ」


隼人はまだ何か言いたげだったけど、黙って前を見た。



……20人。上等じゃねぇか。


瑠雨に手ぇ出してただで済むと思うなよ。



ひとり残らず、ぶっ飛ばす。