「ぎゃあ! ちぃ! 安全運転!!!」

「うっせハゲ!!!」

「ハゲてねぇよ!!! つーか……っあー!!! 絶対あん時の奴らだよな!?」

「当たり前だろっ」


きっと、瑠雨を助けたあの日。俺がボコボコにした奴らに決まってる。



「つーかあのOL何て言った? 何だよ20人くらいって!!!」


赤信号なんか無視したいくらいに気持ちが逸る。


「やべぇってマジ! 仲間連れて待ち伏せとかしてたんじゃねぇのー!?」


あぁイラつく。あの底辺野郎共……。


瑠雨に何かしてたら、ただじゃおかねぇ。



「てか今更だけど行ってどーすんの!?」

「はぁ!? 全員ブチのめすに決まってんだろーが」

「20人相手に!? さすがのちぃでも無謀だって! やめとけって!!!」

「テメェも手伝うんだよボケ」

「嘘だと言ぇぇええええ!!!」


バシィン!!と隼人の頭を叩いて黙らせる。



考えろ、考えろ。


20人相手にするんだ。


いや半分は隼人に任せる。いや隼人は5人くらいでいい、弱いから。