天然店員は俺様王子



「巻き込まれなくて良かったっすねー! 喧嘩ってどこであったんすか?」


どうでもいいだろボケ!!


隣にいた隼人を心の中でフルボッコにしていると、OLは「んーとねぇ」と言って入って来たドアを振り返った。



「ここから歩いて5分くらいのコンビニだよっ」

「「…………」」


俺と隼人は無意識に固まる。


……こっから歩いて5分の、コンビニ?


いやいやいやいや。


考えすぎだ、俺。落ち着け、俺。


「え、それってさ、何人ぐらいの喧嘩だったんすか?」


隼人の問いに、興味を持ってくれたと喜ぶOLは口元を緩ませながら話す。


「えっとねぇ、結構な大人数だったよ? 15~16人かな。20人近くはいたと思う!」


人数を聞いてホッとした。


20人だったら、どうせ男同士の喧嘩だろ。


「何か一方的だったよね?」

「うん、絡まれた子たち可哀想だったよね」


次に出たOLの言葉に、安心したことを後悔した。



「高校生くらいの子たちが絡まれてたんだよ。ほんと怖かったぁ」