天然店員は俺様王子



「ちっ…ちぃ! オーラっ! オーラが黒くなったぞ!!! 笑顔なのに怖いって!!」


笑顔のままの俺の後ろで、隼人がボソボソと囁く。


ざけんなよOL風情が……かなり期待したじゃねぇかよ。オフィスレディならオフィス街の洒落たバーにでも行きやがれ!



「2名様ですか? お仕事お疲れ様です~っ」

「ちぃ……さすがすぎて俺、涙出てくるわ……」


当たり前だろ。でもお前に感動されても微塵も嬉しくねぇ。


「今日はいつもより少し遅かったですね? 残業だったんですか?」


客の前まで歩み寄り、席に案内しようとするとOL頬を染める。


「違うよぉ~! さっきそこで喧嘩があってね、怖くて通れなかったんだぁ」

「え!? 大丈夫でした? 何もされませんでした? あー……でも、無事辿り着いてくれて良かったです」


ホッとした笑みを見せ胸を撫で下ろすと、OL2人組は「ほんと怖かったぁ」とか「ありがとうーっ」と言いながら頬を染めていた。


ハイハイ、心配されたかったんですね。

お望み通りしてあげた俺の為にがっつりパスタとデザートを頼んでこい。