「アンタみたいな子は、笑顔よりそっちの顔の方がいいってことよ、写真は喧嘩した時にも使えるからねぇ」
……まぁ、喧嘩したあとにこんなしょげてる写真みたら、反省するかもしれない。
しかも……ちょっとこの麗桜、可愛い……。
「何ニヤケてるのよ」
「ニヤケてねぇよ!!!」
貴重だなと思っただけだよ!
頬が染まるのを感じながらもオッサンを睨むと、「ぷっすすーっ」とかムカつく笑いを返された。
「さて、と。話はここまでよ。アタシだって暇じゃないんだから」
自分で連れ込んどいて……と思いつつも、あたしは立ち上がって軽く頭を下げる。
「ありがとう」
そう素直に言ったあたしに、オッサンは眩しそうに微笑んでくれた。
明後日まで、この写真を見て麗桜を想おう。
そしたらきっと明後日逢えた時。
あたしはもっと、麗桜を好きだと感じる。