……あたしが、麗桜にこんな表情をさせたんだ。


麗桜は、普段からは想像もつかないような表情をして、あたしの話をしていたんだ。



ねぇ、麗桜。


アンタが今ここにいたら、あたしは何の躊躇もせず麗桜に抱き付くと思う。


それだけ今、愛しくて恋しいから。


強く、強く。抱き締めると思うよ。



「……」


スン、と鼻をすすって涙を拭いながら、壁一面に貼られている写真を見上げた。


15人以上いるスタッフのど真ん中で、腕を組んで意地悪そうに微笑んでる麗桜。


周りのスタッフも、麗桜の肩に手を置いてピースしてる隼人も、充分格好いいと思う。



だけど誰よりも、麗桜に目がいく。


顔が格好いいとか、お洒落だとか、この店の人気No.1だからとか、そんなことは関係なくて。


麗桜だから、目で追い掛けてしまう。


手を伸ばしたくなる。声を掛けたくなる。



あぁ……写真じゃ、物足りない。