天然店員は俺様王子



「じゃあコレもいらないわね」

「はい?」


オッサンはデスクの椅子に座って、何か眺めてる。


それは……一般的な写真ってそのサイズですよね?


多分写真であろう物を口元に持っていくオッサンは、ソファーに座るあたしに微笑む。


「欲しい? レオの写真」

「……オッサン、自首したら」

「盗撮じゃないわよ失礼ね!!!」

「あ……そう……」

「まあ現像はすんなって言われたんだけどねぇっ」


ダメじゃん!!!


オッサンは呆れ顔のあたしを見てから、写真を持った手の甲に顎を乗せてクスリと笑った。



「会いに来たんでしょう、レオに」

「…………」

「何よ。アタシだって色々レオに聞いて知ってるんだから」


盗み聞きの間違いじゃ……とは言わず、ぽつりと床に向けて言葉を吐き出す。


「せっかく来たのに休みなんて、有り得ない」

「やぁね。何様のつもりなの」

「は!?」

「アンタ、レオが苦しかったこと知らないわけじゃないでしょう」

「……それは」


分かってるけど……。