天然店員は俺様王子



「バカなこと考えてないで答えなさいよ。焦れったいわね」

「何!? あたしも会話に混ーぜーてーよーっ!!!」

「お黙り透」

「きーっ!! 奈々の鬼!! 大魔王!! いひゃい!!!」

「誰が大魔王ですって?」


奈々が満面の笑顔で透の頬を力の限りつねる横で、あたしの意識は昨日に飛んでいた。



“テメェが好きだからだろ!!!”


あんなに大事にしてた愛車に、麗桜は拳を叩き付けた。その表情は怒りと言うよりも、苦しみに耐え切れなかった表情だった気がする。


あたしは好きだと言われたことよりも、麗桜が苦しそうな表情をしたことに驚いて、戸惑った。


思いきり眉を寄せてあたしを見た麗桜は拳を開いて、悔しそうに、悲しそうに、額を覆った。



“好きなんだよ、……瑠雨”


小さく、溶けて消えてしまいそうな声。その言葉はきっと麗桜の精一杯で、全てだった。



ねぇ麗桜。


一体いつからあたしを好きだったの?