「あら……ふふっ。青春ねぇ」


昼休みが始まった頃に登校し、教室に入って来たあたしを見て奈々が目を丸くしてから悪戯に微笑んだ。


なぜって、昨日の夜あたしは泣きっぱなしだったから。冷やしたけど、まだ少し目が腫れてる。


「……はぁ……」


奈々に構う気にもなれなくて、あたしは溜め息を洩らし席に着いた。


「あ、瑠雨おっはよーんってどぉしたのぉぉぉお!?」


トイレかサボリだから分からないけど、教室に戻ってきた透が駆け寄ってくる。


「どおしたの瑠ー雨ぅぅうー!!!」


あたしの顔を一生懸命覗く透が心配してくれてるってことは分かる、けど。


「透、邪魔」


今のあたしは透のテンションに付き合える自信がないです。


ショックを受けた透が石化してる横で、奈々はグロスが艶めく唇に笑みを浮かべた。


「好きだって気付いたのに、その様子じゃ……近付くなとか拒絶されたのかしら?」


奈々様……あなた本当に世界征服出来ますよ。


うん、そうしな。奈々だったら世界の頂点に立てるって。