天然店員は俺様王子



――――……


「どっちがヘタレだよ! このヘタレ! ちぃのヘタレッ」

「そんなのレオじゃないぃぃい!!」


-mia-のスタッフルームで休憩中の隼人と話していたはずなのに。


どっから湧いて出た、オッサン……。


「ヘタレにヘタレって言われたくねぇよ!!!」

「はーんっ!? だって告ってそのまま逃げたんじゃねぇか! ヘタレじゃん! 超ヘタレじゃん!!!」

「じゃんじゃんウッセーよ!!!」

「だってそうじゃん! 返事が怖くて逃げたんだろーがっ」


ムッカつく……!!! 隼人のくせにふんぞり返りやがって、めちゃくちゃ腹立たしいなオイ……!



「ああクソッ!」


グシャッと髪を掻き上げて、眉間に深くシワを刻む。



隼人が言ってることは正しくて、ムカつくけど、マジで心底ムカつくけど、何も言い返せない。



俺は、逃げた。瑠雨の答えが怖くて、何よりもまず、自分の告り方が許せなくて。



……あんな告り方、有り得ねぇだろ。