天然店員は俺様王子




「……ごめん」

「……は?」


いやいや違くて、マジで何にごめん? 何に謝ってんだよ。


「迷惑掛けたし……怪我させちゃったから、謝ってんの」

「……だから、お前のせいじゃねぇって言ってんだろーが。しつけぇ」


俺が勝手にしたことなんだから、謝る必要なんてねぇんだよ。


つーか今の俺に“ごめん”は別の意味に聞こえるから、やめてほしいんですけど……。


「もういいから。早く帰れ」


送ってやりてーけど、今のモチベーションじゃ無理。


「…………」



……あの。俺の言葉聞こえませんでしたかね? 何突っ立ってんだお前は。


「おい、聞いてんのかよ」

「…………」

「もう放課後暇になったんだから遊びにでも行けよ。……大好きなキョウにでも会いに行けば?」


ああ……ほんとバカだな俺。こんなのイヤミで僻みじゃねぇか。


ダセェ。すぐに後悔するなら黙っとけよ。



ひとり悶々としていると、俯いていた瑠雨が顔を上げて俺を見た。


「何でそんなこと言うの」