天然店員は俺様王子



――みんな、みんな、あたしの為に行動してくれてる。大事だと思える人たち。大好きな、人たち。


ねぇ、麗桜……。



「……っ昴……」

「ナニ?」

「昴に必要な人って……誰?」

「……ヒツヨー?」

「そう、必要な人……」


涙で濡れた瞳で見上げると、昴は綺麗すぎる顔にふわりと花咲くように笑顔を拡げた。


「トール」


愛しい人の名前を言った昴は本当に幸せそうで、同時に一筋の涙があたしの頬に流れた。



ねぇ、麗桜……あたしには麗桜が必要だよ。


透も奈々も昴も翔太も、キョウもみんな大事。特別で、大好きだけど。


麗桜がいたらもっと嬉しくて楽しい。麗桜がいたらもっと幸せだと思う。


アンタは、俺様で自己中で冷酷で鬼畜でナルシーで変態だけど、そこら辺はホントに最低最悪だけど。


そんなの思わず許せちゃうくらいに優しい奴だって知ってる。自然に笑った笑顔がめちゃくちゃ可愛いのを知ってる。


あたしは麗桜の前だと、ありのままでいられる。



ねぇ麗桜。


あたしは口が悪くて暴力的で可愛げのない女だけど、麗桜にとってあたしはただの不躾な野良猫かもしれないけど。



あたしは、アンタのことが好きだって気付いたよ。