天然店員は俺様王子



「――瑠雨っ! 大丈夫っ!?」


突然目の前に、あたしの顔を覗きこむ透の姿があった。


「先生のバカ!!! 瑠雨泣いちゃったじゃんか!!!」


その言葉にハッとすると、涙が流れてることに気付いた。慌てて止めようとするけど、次から次へと涙が零れる。


「謝ってよ先生ーーっっ!!! 瑠雨泣かせて許さないかんねぇぇえ!!!」

「落ち着きなさいよ透」


奈々までそばに来て、気まずさから俯き、拭っても拭っても溢れる涙に戸惑った。



何で……、止まんない……。悲しいんじゃない。悲しくて泣いてるわけじゃない。


嬉しくて、仕方ないだけ。



──ぽん……と不意に頭の上に温かさを感じて、俯いていたあたしの視界に制服ではないデニムが見えた。


また、涙が零れ落ちる。


ゆっくり顔を上げると、綺麗な二重があたしを見つめていた。


「…………」


ねぇ、麗桜。何でそんな顔をしてるの?


「悪かったな」


何で謝るの?


何で、麗桜が泣きそうな顔をするの。