「千草先生。村上は本当に問題児なんですよ。教師が注意しないとつけあがる一方でしてね」
麗桜はグレーアッシュの髪を掻いて、廊下に集まる野次馬を見た。
「そう…ですかー……じゃあ、あそこらへんにいる生徒も纏めて注意しましょうかー」
麗桜の視線の先には、あたしと同じようにブレザーを着てなかったり、ブレザーの変わりにパーカーやトレーナーを着ている生徒たち。
「あの生徒たちもほっといたらつけあがっちゃいますもんねぇっ?」
ニコニコと笑顔を向ける麗桜に、西郡はグッと口を結ぶ。
麗桜は分かって言ってるのかもしれない。
そんなに校則が厳しくないこの学校で、あたしだけが異様に目を付けられてることを。
「でもですねぇ!」
まだ続ける気の西郡に麗桜は一瞬うんざりした顔を見せた。
「村上は色々と問題があるんですよ。千草先生は知らないでしょうけど……」
「――っまたそれかよ! 関係ねぇだろーがっ!!!」
声を荒げたあたしを麗桜が見遣ったと同時に、西郡が言ってしまう。
「家庭にも問題がありましてねぇ」
「……っ!」
ムカつく、ムカつく……! 家のことは関係ないじゃん!



