天然店員は俺様王子



「彼氏が! 彼女に! 会いに来たら! アカンのかいな!!!」

「ふふっ。やぁねぇ。来るなって遠回しに言ってあげたのに」

「俺知ってんねんぞ! ホンマは嬉しいんやろっ!」

「なぁにそれ。自己暗示? 哀れね」


奈々と翔太の、どう見たってじゃれ合ってるだけの言い争いに呆れながらも、少し羨ましいと感じる。


昴と透みたいなラブラブっぷりは、あたしには似合わないというか、出来ないから。


きっとどっちのカップルも素なんだろうけど、あたしは口が悪いから、余計に奈々と翔太みたいな雰囲気に憧れていたりする。


お互い言いたいことをハッキリ言える関係って、友達でも難しいと思うもんなぁ……。



そんなことを考えていると、キョウと目が合った。


「今日は着てないんだね、白いブレザー」

「へ!? あ、ああっ! うんっ着てない」


目の前まで来たキョウに焦りながらも答えると、いつもの口調でキョウは笑った。


「似合うのに、白」


……聞きましたか。特に麗桜と隼人に聞かせたかった。


あたし、白が似合わないんだよ。どう考えてもこのカラフルな頭のせいだとは思うけど。


「何で着てないの?」

「え? あー……西郡って奴がうるさくて、着て来なかったんだよねっ」


あながち嘘ではないけど、なぜか麗桜の名前を出すのは気が引けた。