天然店員は俺様王子



教室に戻り、再び気怠い授業を受ける。


窓際の1番後ろの席で、あたしは頬杖をついて窓の外を見ていた。奈々の言葉を、思い出しながら。



放課後に、準備室で……破廉恥。


急速に込み上げた熱に顔が赤くなって、限界まで首を捻って窓へ顔を向けた。


あれは、あたしじゃなくて、麗桜が悪い……。



いきなりキスしてきたのはド変態の麗桜だ。


人の気持ちもお構いなしに、したいからと言った。嫌い。自分勝手で嫌い。


でもあの笑顔と、遠まわしの優しさは、嫌いじゃない。


もう1回くらい見たいって思ってしまう。少しでいいから優しくしろって望んでしまう。


だからだ。心から憎めなくなったのは。大嫌いだと言えなくなったのは。


それ以外、理由なんてない。


キスを拒めなかったのは、きっと、それだけの理由。



「~~っ」


麗桜のキスを思い出して、いたたまれなくなり机に顔を突っ伏した。