天然店員は俺様王子



「何か仲良くなったよねぇー? ちぃ君と」

「はあ!? どこをどう見て仲良く見えんだよ!」

「えぇ~? 仲良くなったと思うけどなぁ……ねぇ奈々」


透は首を傾げ、隣を歩く奈々を見上げる。


「やぁねぇ透。不潔だわ」

「なんでぇぇぇえ!?」


「何で何で!?」と詰め寄る透に目もくれず、奈々はあたしを見て微笑む。


その微笑みに、何でか全身に鳥肌が立った。



「な……奈々?」


待って。待て待て。


まさかそんなバカなことが有るはずがない!


「放課後に、準備室で、破廉恥だわ」

「何っで知ってんだよ!!!」

「あら……私に分からないことはなくってよ? 甘いわねぇ瑠雨は」


フフっと笑ってから「ね?」と透が痛がるほど頬をつねる奈々はご機嫌そのもの。



いや……奈々、あなたは一体何者ですか。