何? いや、分かるけど。
笑顔の裏で、早くこっち来いクソ野郎って言ってる。
「ちぃ君が呼んでるよー?」
「早く行きなさいよ」
……出来れば行きたくない。
「何か用」
渋々麗桜のもとへ行くと、麗桜を囲んでいた4人の女子に睨まれる始末。
「……見てんじゃねぇよ」
ボソッと悪態をつくと、目を見開かれ、更に睨まれるこの状況。
「皆ごめんねぇ。ちょっと村上に話しあるからさっ」
麗桜がぶりっ子みたいな笑顔を向けると、名残惜しそうに離れていく4人組。
「……ただの雑用係のくせに」
「ウザーイ」
くだらない悪口を残して去って行く4人組の背中を睨むと、目の前に麗桜の顔が現れる。
「!!」
驚いて仰け反ると、フッと鼻で笑われた。
「お前はホンット口悪いな」
「……ほっとけ」
ていうか、さっきのはアンタのせいですからね? アンタが無駄に愛想振り撒くから、雑用係のあたしが妬まれるんじゃん。



