火花が散るふたりに耐えきれなくなり、俺は割って入る。


「まーまー。西郡先生、落ち着いて下さいよ」

「ですがね千草先生っ」


黙れ眼鏡! その眼鏡握り潰してやろうか? あぁん? ……とは言わず、-mia-で鍛えた笑顔を向ける。


「今は俺が村上を預かってる身ですから、俺が注意しておきますよ。西郡先生だって色々忙しいでしょうし、ね?」


完、璧。


ニコーッと笑顔を向ければ西郡は眉を寄せながら「それもそうですね」と言って瑠雨に一言二言注意すると、準備室を出て行った。


それを確認し、ブスッとしてる瑠雨の頭を小突く。


「お前な、あんな反抗的にしてっから目ぇ付けられんだろーが」


瑠雨は小突かれた頭を押さえて俺を見たかと思うと、床に視線を落とした。


「嫌いなんだよ。西郡みたいな奴」


まぁ……教師に反抗する気持ちも分からなくもねぇけど。


「笑え」

「……は?」

「は?じゃねぇよ。笑ってりゃいーんだよ。あんなのにいちいち反抗すんのも面倒だろーが」