「千草先生! いらっしゃいますかっ」
「!!」
俺と瑠雨は勢い良く離れ、同時にドアが開いた。
「ああ、いましたね」
「……西郡、先生」
こんっっの野郎ォォォオ!!! テメェどんだけ間の悪いことしてくれんてだゴラァァア!!!!
「……どうかしたんスか?」
今にも西郡をぶん殴りそうになった拳をデニムのポケットに突っ込んで、若干引きつったであろう笑顔を見せると、西郡は準備室に入ってきた。
「明日の朝会議の時間が7時45分からになりましてね。これ資料です」
「どーもわざわざすいませぇーん」
憎たらしい。憎いったらねぇ。朝会議とかなくなれ。つーか時間変更した奴くたばれ! 今すぐにくたばれっ!!
笑顔で資料を受け取ると、西郡は俺の後ろで背を向けている瑠雨に気付いた。
「村上か。何してるんだ」
西郡が声を掛けたと同時に俺も振り向くと、瑠雨が咳き込んでから横目で西郡を見た。
「雑用」
一言かよ。
「ああ……そういえばそう聞いたな」
西郡はそう言いいながら腕組みをし、立ち止まったまま渋い顔で瑠雨を眺める。
あの、いいから早く出てってくれます?



