天然店員は俺様王子



「……聞けねぇの?」

「っ変態系は嫌だからねっ!!!」


……俺にキスしろって言いたかったんすけど、これ変態か? どこらへんが変態なんですか?


18の男にとっちゃ当たり前ですけど何か問題でも?



瑠雨はめちゃくちゃ警戒しながら俺を見上げている。


だから、上目使いはやめてくれ。


俺は視線を一度ずらして溜め息をつき、再度瑠雨を見つめた。


「俺、疲れてんの」

「……はあ……」

「毎日実習の資料作りで寝不足なのに、学校来て女子高生にチヤホヤされて、バイト行って客にチヤホヤされて。疲れてんだよ俺は」

「……自慢か」


どこが自慢だ真実だろボケが!!!


「俺を癒せ」


ドーン!て漫画みたいな効果音が似合うくらい、俺は偉そうに仰け反る。そんな俺を見上げてた瑠雨はポカーンとしてから、口を開いた。


「頭大丈夫?」

「あぁ?」

「や、いや、口が滑った」


口縫ってあげましょうか? むしろその手に持ってるホチキスで止めて差し上げましょうか?


……この減らず口が!